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サミットストアは車来店客を取り込めるか
商圏分析の方法 サミットストア羽衣いちょう通り店は車来店客を取り込めるか
最近の傾向として、都心部のスーパーマーケット(以下SM)の実商圏は半径1km圏を切っていることが知られている。
これはひとえにSMの過剰出店による過当競争が原因であるが、もとより都心部における消費者の移動手段はもっぱら「自転車・徒歩」であるからであり商圏は狭くなって当然である。
車来店客は期待できるか
一方、駐車場を多数用意すれば、車での来店客を期待できると考えたくなるが、賃料がどこもきわめて高くつく都心部では、それでは採算がとれない場合が多い。
ところが、サミットストア羽衣いちょう通り店(以下、当該店)は駐車場112台確保して、その近隣同業SM、さえき国立店(41台)、西友1(45台)を圧倒している。
売場面積においても同業店の各693㎡、936㎡に対して、当該店は1805㎡であるから、顧客吸引力もきわめて大きいことは確かだ。車を使っての目的来店が期待でき徒歩・自転車圏(1km圏)を越えて商圏が拡大すると考えたようだ。
実際、物件から1km内に比べて、南の1~2km圏は「自家用車利用率」・「保有率」はいずれも格段に高いからこれは狙い目である。。
ただし、1~2km圏でも西側の立川駅周辺と国立駅周辺はそれらの値はきわめて低い。すなわち、車自体を持っていない住民が多く、所有する家々であっても車を日常的には利用していない。つまり、車による西方向・東方向への商圏の拡がりは期待できない。
では、北側はどうか。残念ながら店前道路はすぐT字路になるため北へ延伸できない。延伸するには、一度右折してから、また左折して鉄道をアンダーパスして行くしかない。その上り口には、SMオリンピックが、駐車台数100台、売場面積2296㎡で待ち構えている。強力な競合店と言えよう。これによって北への商圏拡大は大きく制約される。
最後に南側はどうか。
南側も500mも行かないうちにT字路になる。一度、南武線の踏切を渡れば、右左折することで南進は可能である。ただし、約1kmで西友2が駐車台数90台、売場面積1581㎡で待ち構えている。南側への商圏拡大も難しくなる。
唯一の商圏を伸ばせる方向は南東である。
南東ならば、ピーコック(21台)、いなげや(0台)、SMさえき(9台)、グルメシティ(36台)と同業店はいずれも駐車場に乏しいからだ。
ただし、人々の日常行動を算出すると図4になり、2km圏内の人々はおおむね東方向を向いており、当該店には向いていない。果たして当該店へ目的来店するだろうか。疑問は残る。
徒歩・自転車
一般的に、同じ鉄道路線の駅と駅の中間付近は、どんな商売でもうまく行かないことが多い。それは、人々の日常行動がそれぞれの近い方の駅に向かってしまい、その反対方向にある店は心理的に遠く感じるからである(図5)。
当該店は立川駅から1・2km、国立駅から1・8kmとほぼ中間に近いところに立地している。通行人対象の立地としてはやや避けるべきであり、西国立駅という最寄駅に近接した好立地に西友1が出店している。
徒歩/自転車/自家用車いずれにおいてもハンディのある立地であることを十分認識したうえで営業・販促に取り組んでいくことが望まれる。
商圏分析の方法-A
一方、商圏は
2km圏は、人口123534人ときわめて多く、かつ増加傾向にあり、今後も増加が期待できる(図6)
商圏分析の方法-B
。加えて、年収別世帯数の構成比率は東京都の平均とほとんど同じで300~400万円ランクが高い(図7)。
商圏分析の方法-C
年齢構成も同様で、20才代から40才代後半までの最も消費性向の高い世代が大きな割合を占めている(図8)。じゅうぶん期待できる商圏であることがわかる。
商圏分析の方法-D
図1 2km圏内の同業店と駅の配置
商圏分析の方法-E
図2 通勤・通学における自家用車利用の世帯比率 (国勢調査2000年)
図3 乗用車・小型車保有の世帯比率 (2012年)
商圏分析の方法-F
図4 行動ベクトル(中心点から人々が広域でどの方向に向かって行動するかを(有)ソルブがシミュレートしたもの)
図5 駅の中間は危ない立地
もし中間線上に店を出してしまうと、アの付近の人はA駅に向かう途上に、イの付近の人はB駅に向かう途上に店がないことになり、いずれにしても店の利便性は下がる。
商圏分析の方法-G
図6 人口推移と人口予測
商圏分析の方法-H
図7 年収別世帯数
商圏分析の方法-I
図8 人口ピラミッド 2010年
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
21/07/31
21/07/10
21/07/09
21/07/08
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商圏分析の方法 サミットストア羽衣いちょう通り店は車来店客を取り込めるか
最近の傾向として、都心部のスーパーマーケット(以下SM)の実商圏は半径1km圏を切っていることが知られている。
これはひとえにSMの過剰出店による過当競争が原因であるが、もとより都心部における消費者の移動手段はもっぱら「自転車・徒歩」であるからであり商圏は狭くなって当然である。
車来店客は期待できるか
一方、駐車場を多数用意すれば、車での来店客を期待できると考えたくなるが、賃料がどこもきわめて高くつく都心部では、それでは採算がとれない場合が多い。
ところが、サミットストア羽衣いちょう通り店(以下、当該店)は駐車場112台確保して、その近隣同業SM、さえき国立店(41台)、西友1(45台)を圧倒している。
売場面積においても同業店の各693㎡、936㎡に対して、当該店は1805㎡であるから、顧客吸引力もきわめて大きいことは確かだ。車を使っての目的来店が期待でき徒歩・自転車圏(1km圏)を越えて商圏が拡大すると考えたようだ。
実際、物件から1km内に比べて、南の1~2km圏は「自家用車利用率」・「保有率」はいずれも格段に高いからこれは狙い目である。。
ただし、1~2km圏でも西側の立川駅周辺と国立駅周辺はそれらの値はきわめて低い。すなわち、車自体を持っていない住民が多く、所有する家々であっても車を日常的には利用していない。つまり、車による西方向・東方向への商圏の拡がりは期待できない。
では、北側はどうか。残念ながら店前道路はすぐT字路になるため北へ延伸できない。延伸するには、一度右折してから、また左折して鉄道をアンダーパスして行くしかない。その上り口には、SMオリンピックが、駐車台数100台、売場面積2296㎡で待ち構えている。強力な競合店と言えよう。これによって北への商圏拡大は大きく制約される。
最後に南側はどうか。
南側も500mも行かないうちにT字路になる。一度、南武線の踏切を渡れば、右左折することで南進は可能である。ただし、約1kmで西友2が駐車台数90台、売場面積1581㎡で待ち構えている。南側への商圏拡大も難しくなる。
唯一の商圏を伸ばせる方向は南東である。
南東ならば、ピーコック(21台)、いなげや(0台)、SMさえき(9台)、グルメシティ(36台)と同業店はいずれも駐車場に乏しいからだ。
ただし、人々の日常行動を算出すると図4になり、2km圏内の人々はおおむね東方向を向いており、当該店には向いていない。果たして当該店へ目的来店するだろうか。疑問は残る。
徒歩・自転車
一般的に、同じ鉄道路線の駅と駅の中間付近は、どんな商売でもうまく行かないことが多い。それは、人々の日常行動がそれぞれの近い方の駅に向かってしまい、その反対方向にある店は心理的に遠く感じるからである(図5)。
当該店は立川駅から1・2km、国立駅から1・8kmとほぼ中間に近いところに立地している。通行人対象の立地としてはやや避けるべきであり、西国立駅という最寄駅に近接した好立地に西友1が出店している。
徒歩/自転車/自家用車いずれにおいてもハンディのある立地であることを十分認識したうえで営業・販促に取り組んでいくことが望まれる。
商圏分析の方法-A
一方、商圏は
2km圏は、人口123534人ときわめて多く、かつ増加傾向にあり、今後も増加が期待できる(図6)
商圏分析の方法-B
。加えて、年収別世帯数の構成比率は東京都の平均とほとんど同じで300~400万円ランクが高い(図7)。
商圏分析の方法-C
年齢構成も同様で、20才代から40才代後半までの最も消費性向の高い世代が大きな割合を占めている(図8)。じゅうぶん期待できる商圏であることがわかる。
商圏分析の方法-D
図1 2km圏内の同業店と駅の配置
商圏分析の方法-E
図2 通勤・通学における自家用車利用の世帯比率 (国勢調査2000年)
商圏分析の方法-E
図3 乗用車・小型車保有の世帯比率 (2012年)
商圏分析の方法-F
図4 行動ベクトル(中心点から人々が広域でどの方向に向かって行動するかを(有)ソルブがシミュレートしたもの)
図5 駅の中間は危ない立地
もし中間線上に店を出してしまうと、アの付近の人はA駅に向かう途上に、イの付近の人はB駅に向かう途上に店がないことになり、いずれにしても店の利便性は下がる。
商圏分析の方法-G
図6 人口推移と人口予測
商圏分析の方法-H
図7 年収別世帯数
商圏分析の方法-I
図8 人口ピラミッド 2010年