「1週間でできる立地判定」【第8回】売れている店の隣はいくら売れるか  月刊コンビニ連載2013年8月号

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「1週間でできる立地判定」【第8回】売れている店の隣はいくら売れるか  月刊コンビニ連載2013年8月号

立地について,月刊コンビニ

2017/10/28 「1週間でできる立地判定」【第8回】売れている店の隣はいくら売れるか  月刊コンビニ連載2013年8月号

「1週間でできる立地判定」【第8回】売れている店の隣はいくら売れるか  月刊コンビニ連載2013年8月号

 

 

商圏調査も立地調査もまったくしないで出店しているという大胆なチェーン店もあるようですが、筆者としてはもちろんそのようなことはお勧めしません。なぜなら、多少なりとも業種業態が異なれば、良い立地の要因、悪い立地の要因が異なってくることは明らかだからです。

しかし、そうは言っても、近くで他ブランド(コンビニ)が繁盛しているような立地では、自ブランドもうまく行きそうだと考えるのは当然かもしれません。

もし、運営水準がほとんど同等ならばなおさらでしょう。

 

では、こういう条件のもとで売れている店の隣に、自ブランドで出店したらいくら売れるでしょう。結論はひじょうに簡単です。その店の70%になります。つまり、日販が50万円の店の隣に店を出すと、50×70%=35万円 となります。

この値をどうお感じになるでしょうか?

「えっ、その店と同じくらい売れないの(少ないの)?」でしょうか。それとも「それだけ売れるなら出店できるよ」でしょうか。

 

では、逆に、自店舗の隣に他ブランドのコンビニが出店してきた場合、自店舗の売上はどうなるでしょうか?実は、これも70%になります。これは、自店舗の売上が30%もダウンすることを意味します。これは大打撃です。これだけ下がると、損益分岐点を割る可能性もあります。いつこのような事態に遭遇するかわかりませんから、日頃から売上を伸ばしておく努力は怠れません。

 

では、同業は単に自ブランドの敵となるばかりでしょうか?つまり、同業は自店からお客を奪っていく悪い存在なのでしょうか?

もちろん、違います。なぜなら、店が隣同士になることで、70%プラス70%で、合計140%もの売上になったからです。本来、お客を奪い合うだけの関係なら、お互いの売上は50%と50%ですね。

この合計して、140%になったということは、お客さんが増えた、お客さんの来店頻度が増えたことを意味しています。これを、「市場拡大」と言います。言い換えるならば、同業どうしでお客さんをより多く集めたということになります。

例えば、Aブランドの店で買えなければ、Bブランドの店を訪れて買いますね。また、お客さんの選択肢も増えますね。こうやって商品とサービスに厚みが増したわけです。

 

注意すべきことがあります。同業店と隣りどうしになることで、市場拡大するだけではありません。「競争」も起きます。つまり、次は互いの競争力が問題です。互いの業種業態が似ているだけではなく、そこにお互いのしのぎを削る戦いがあります。それはあるいは、サービスのスピードや丁寧さであったり、ちょっとした店の清潔度や便利さだったりするわけです。

ですから、さきほどの例は競争力が1対1でしたが、これがもし、1.2対0.8だったらどうでしょうか?強い方は、50万×70%×1.2=42万円。弱い方は28万円になります。

日販が42万円なら平均以上で儲かりますが、28万円で利益を出すのは苦労します。

つまり、競争力の違いで、同じ立地でも天と地ほども結果が異なってきます。

自ブランドの競争力に磨きをかけるというのは、こういう意味でも大切なことです。

 

ところで、ここで新たな疑問が2つ出ると思います。一つは、どうやって繁盛店の売上を知ることができるのか?もう一つは、1店ではなく、最初から2店舗あって、その上で自店舗が3店舗目の場合はどうなるのか?という疑問です。

 

まず、最初の、売上の知り方です。その店のオーナーと親しくなって教えてもらうということがすぐに思いつきますね。しかし、この方法は後々トラブルになるかもしれませんから余りお勧めはしません。

お勧めは、やはりお客様の数を朝から翌朝まで24時間数えることです。もちろん、自分だけでは無理でしょうから、アルバイトを雇うなりしてけっこうです。

「そんなたいへんなことをしなければいけませんか?」と言うのはなしです。これはあなたの一生を左右するような調査ですから、手抜きはできません。

 

では、2店舗から3店舗になる場合はどうなのか。これは、2店舗の合計の1・2倍に市場拡大することが知られています。もし、A店が50万円、B店が40万円だったとしましょう。すると、その市場は50+40=90万円の市場があり、その1・2倍になるのですから、90×1・2=108万円です。

これを互いの競争力によって、配分することになるのです(図)。

 

もちろん、以上の話しは、互いの立地が寸分も違わないことが前提です。どちらかが駅や大型商業施設などのTGに近い、視界性評価が高い、というような場合はもちろん変わってきますので、立地を無視してはなりません。

 

写真1 交差点角地でサンクスとファミリーマートが相対する。ほぼ互角の立地。

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写真2 セブンは角地、2軒あけてファミリーマート。セブンが優位の立地。

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写真3 隣り合うビルの1Fどうしでローソンとファミリーマート。ほぼ互角の立地。

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写真4 中板橋駅前にて完全に隣り合って出店するサンクスとコスモス。ほぼ互角。

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はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し、退社後にSORBICSといて理論化し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。定期的に開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。昭和31年生56才 http://www.sorb.co.jp

 

 

 
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