需要が予め確保されている立地

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需要が予め確保されている立地

立地について,月刊コンビニ

2017/10/27 需要が予め確保されている立地

「1週間でできる立地判定」需要が予め確保されている立地【第5回】  月刊コンビニ連載2013年5月号

需要が予め確保されている立地

 

「需要が予め確保されている立地に店を出しましょう」というとかなり奇異に聞こえるらしい。「そんな立地があったら、誰も苦労しない」。そんなつぶやきが聞こえてきそうです。

しかし、そういう立地はあります。

それは、どんな立地かと言えば、「数多くのいろいろなニーズを持ったいろいろな人が訪れるが、その全てに対応しようとすると大変な労力、ノウハウが必要なためにコンビニさんに任せたいと願っている施設」内を指します。

いわゆる普通のオフィス棟はもちろん、中程度の鉄道駅や公共施設などがまず挙げられます。

立地論的には、PC(ポテンシャルクラスター:需要集合体)やTG(ティージー:交通発生源)の“施設版”と言えるでしょう。すでに、これらについては出ましたので、さらに特徴的な立地を示しましょう。

  • 病院

まず一番は、病院です。とりわけ多くの診療科目を有している病院や大きな専門病院です。病院には、医師、医療従事者、入院患者はもとより外来患者、見舞客、医療関係者など多くの人々が訪れます。したがって、ニーズもいろいろでしかも多数揃えていなければなりません。もちろん、以前より、「売店」という存在はありました。しかし、明らかに人々のニーズに十分答えているは言い難いものでした。しかも、たいていは、地下や階段の下のような薄暗いところに置かれていたものです。

しかし、やはり、置くべき立地は、人々が一番便利で集まりやすい場所、会計や薬局、待合せ・休憩所があるようなところでしょう。

では、そういう所にコンビニはあるべきですし、実際あります。もし、読者ご存じの病院にそれがなければ、みすみす好立地を逃していることになります。

 

  • ホテル

毎日、異なる客が入れ替わり立ち代わり出入りするホテル。しかも、そのホテルの宿泊需要が高いような場所ならば特に有望です。ホテルとて、立地あってこその商売です。観光やビジネスやコンサートなどのイベントで訪れる人々が多い駅や地域の周辺に建つホテルに出店していませんか。

ここで紹介する例は、ホテル外部への露出があるものと、外部からはその存在感がまったくなく、完全に宿泊者に限定したような立地の2例挙げています。もちろん、前者であるほうが、客層が広がり売上も高くなるものです。また、後者である場合は、賃料等の経費構造を見直し、リスクを極力減らして出店すべきでしょう。

  • 専門学校

最近は大学よりも格段と就職率が高い専門学校が多くの若者に好まれているようです。理美容師や柔道整復士に始まり、デザイナー、エステ、ネイル、美容、映画、声優、演技、ジュエリー等々さまざまな人気講座があり、これを総合的に提供している学校もあります。

もちろん、こうした学校には、確かに一般の人々の来校は限られるので、各専門講座に関係のある商品を扱う必要があります。、

②と同様、学校以外からの入客が望める出入口玄関付近がベストでしょう。できれば、学校外部であっても、その学校から別の出入口を使って、雨に濡れることなく往復できるような構造を持った店作りがお勧めです。

  • 観光施設

観光地に行けば、当然ですが、いろいろな観光施設、城郭や寺院、○○記念館などがあります。しかし、そこにある商業施設といえばいわゆるお土産物屋さんばかりですが、本当にそれだけで足りているでしょうか?観光地と言えど、日常品が必要になる場面はたくさんあります。いえ、むしろ日常品を携行しないからこそコンビニの存在は不可欠と言えるでしょう。

  • そのほか

予め需要が確保されている立地は、ほかにもあります。冒頭に挙げた駅や駅と駅を結ぶ動線となっている道路沿い、駅利用者が利用する大きな駐輪場の出入口周辺、遊園地や公園などのレジャー施設周辺、あるいは、多くの人々が利用する大きな河川敷への出入口付近(図2)などです。

これ以外でも、「多くの人々が集まってくる」ことがポイントです。とはいえ、ホテルでもオフィスビルでも、そこを利用する人達だけで収益が上がるかどうかは慎重に検討してください。

 

 

1 、写真1

病院に出店しているM

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図のとおり、コンビニ店舗は、病院1階フロアーのほぼ中央に位置しており、外来受付と出入口の動線沿いにあるばかりか、エスカレーター、エレベーターというTGにも近いほぼベストの立地と言えるでしょう。

 

写真2

有明のSホテル内に、出店しているL

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ホテルの外からはもとより、中に入ってフロント周辺にいても、この店の存在はほとんどわかりません。中にある階段を使い2階に上って、さらに奥に入ったところにあるからです。

まず、外部からの来店は期待できないでしょう。

 

写真3、写真4

大きなオフィスビル内に出店しているセブン

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こちらは、L店と同様、2階の中にあるため、外を通る人から店は見えません。しかし、写真のように路面に大きな看板を出しているとともに、ビルの外階段を上がりさえすれば発見できる位置に出店しているため、外部からの来店も期待できます。

 

2

河川敷への流入ポテンシャルを独り占めする店

駅からほど近い所に河川敷があり、温かくなると多くのレジャー客が訪れます。

河川敷にいくには③を通らざるを得ず、駅から来るには交差点①を通ります。ここから店の視界性はよくほとんどの人々が知覚できます。また、店の正面には土手に上がれる階段②もあります。

 

はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し、退社後にSORBICSといて理論化し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。定期的に開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。昭和31年生56才 http://www.sorb.co.jp

 

 

 
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