存在感のある立地、物件で出せ

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存在感のある立地、物件で出せ

立地について,月刊コンビニ

2017/10/27 存在感のある立地、物件で出せ

「1週間でできる立地判定」【第1回】存在感のある立地、物件で出せ  月刊コンビニ連載2013年1月号

 

存在感のある立地、物件で出せ

 

存在感のある立地とは

「存在感のある立地、物件で出していくべき」という考え方は、コンビニエンスストア(以下、コンビニ店)立地に限らず、ほとんどの店に通用します。

しかし、コンビニ店業界ほどこの考えは、激戦を勝ち抜く上で必要とされているところはありません。
ですから、存在感のある立地を選択し、戦いに勝ち、売上と利益を獲得するにはどうしたら良いかを知っておきましょう。

これから、12回の連載を通して、事例を交えながら、すぐに身に付く立地判定を説明していきます。今回は、その第一、「存在感のある立地」です。

 

まず、当たり前のこととして念頭に入れてほしいことがあります。それは、お客様が重視していることは、商品数、品揃えや品質、サービスのレベルなどよりも、「立地」だということです。その立地も、最高に「存在感のある立地」を求めているということです。

では、存在感のある立地とは、どのような立地でしょうか。

それは、第一にファストフード並みか、これに負けないような立地を指します。すなわち、TG(交通発生源)の近くにあることです。そして、そのTGから見えること、TGから到達し易いことです。この3条件を満たしていることです。

さらに、そのTGを具体的に言うならば、乗降数の多い(日平均で1万人以上)駅、年商の高い(10億円以上)大型小売店、交通量の多い(12時間で1万台以上)大型交差点などです。

存在感のある立地の第二は、角地を押さえている、あるいは、広い間口(10m以上)を持っていることです。これらによって、店はどちらの方角から人々が来たり、見たりしてもその大多数(8割以上)の人々が、その店を知覚できます。

これ以外にも、街中であっても駐車場が確保できる、大きな看板をビルの屋上に設置できる、隣に空き地があって店全体が離れたところから見える、等々。こうしたことが店の存在感につながります。

コンビニ店立地の優位性

しかも、第一条件については、コンビニ店の場合、ファストフードと異なって、ある程度まで融通がききます。どういうことかというと、ファストフードの場合、その来店動機は、食事はほとんどで、休憩、会話といった動機はあまり多くはありません。

これに対して、コンビニ店には50000品目以上に及ぶ商品・サービス群すべてが来店動機になり得るとともに、立ち読みや店内喫茶などもそれに入ります。これだけ来店動機が多いということは、ファストフードほどの好立地である必要はないのです。

大きな交差点や駅に面した場所がファストフードなら、そこから1本路地に入った場所でもコンビニ店にとっては好立地となり得るのです(図1)。

これは、賃料面でのコストをファストフードより下げることができるメリットがあります。

 

加えて、「人々から近いところにある」ことが、便利=コンビニエンスということを考えれば、駅などのTGに近いばかりでなく、人々が密集して暮らしている場所、地域、ビル(こうしたところをPC《ポテンシャルクラスター》と呼びます。次回、詳述します)に近い場所も、じゅうぶん売上を獲得できる場所です。

 

存在感のない物件

反対に、存在感のない立地とは、どんな店でしょうか。

間口が狭い(3mもない)、店舗面積が狭い(20坪以下)、看板が複数置けない、周辺の店のほうが目立っている、角地になく通り過ぎやすい、暗い、植栽や街路樹がじゃまをして、直前にくるまでその存在がわからない、郊外なのに駐車場が数台分しかない、・・・こういった店を指します。

会社勤めの人は経験がおありだと思いますが、理路整然と話すが声が小さい人と、内容はめちゃめちゃだが大きな声で話す人と、どちらの人の意見が通りやすいでしょうか。もちろん、後者ですね。人は、大きな声を出して堂々と話す「存在感」のある人の意見を信用しやすい好例です。

物件も同じで、勧められても上記のような長所が見つからない場合は、リクルーターに「なんか存在感のない物件ですね」と言ってみると良いかもしれません。きっと次は良い物件と出会えるかもしれません。陥り

 

競合店

一番の心配事は、同業店、つまり自店舗以外のコンビニ店の存在でしょう。すでに、コンビニ店の数は飽和状態にあって、あとは、お客様の奪い合いでしかないと思っているオーナーの方もいらっしゃるでしょう。

確かに、こうした問題点については総論的に間違っていないと筆者は思います。しかし、それは全体を平均的に見たらの話しであって、そうでない場所(競合の少ないような地域)は、モザイク状にたくさん残っていると見ています。

あるいは、TGPC、動線や視界性といった立地のイロハを考えず出店してしまっている既存コンビニ店ばかりという地域は、狙いどころです。店の数は多くても自店舗が一番店になることができるからです。こうした地域も含めると、出店可能な余地はじゅうぶんあると考えられます(図2)。

 

立地を調べる順序

立地を調べていくのには順序があります。

1番目は、マクロです。要するに、商圏、あるいは街を調べることです。

2番目は、ミクロです。これはすでに書いたTGやそこからの視界性などを調べることです

3番目は、物件として、売上を制約する要因がないかどうかを調べます。存在感のある店ならば、これら2つはクリアーできるはずです。

4番目は、最後に書いたように、同業店=競合店による売上制約要因がどれだけ強いかを調べていくことです。

これから、それぞれについて1週間で判定ができるように解説していきます。どうか楽しみにしていてください。

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交差点Aは、地下鉄駅出入口もあり、この周辺では一番のTGです。次は、交差点Bになります。しかし、こうした交差点は、ファストフードや他の店にとっても好立地なため賃料相場も高くなりがちです。

しかし、コンビニ店にとっては、そうした交差点よりも、住宅街に入った場所のほうが良い立地である場合も少なくないのです。実際この店は、住宅街の中で、交差点角地に広い間口を設け、強い存在感を呈しています。

 

はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。定期的に開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。昭和31年生55才 http://www.sorb.co.jp

 

 

 
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