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東京駅からJR京葉線で 新木場
東京駅からJR京葉線で5駅目 新木場
新木場は、東京駅からJR京葉線で5駅目、江東区の新木場は駅乗降数130千人(注1)と多く、この4年間で22パーセントと増加し、メトロ有楽町線の終着点でもあります(95千人)。ほとんど都心と言って良いでしょう。激戦度は8位。
新木場駅の周辺は、この数十年の間に東京湾を埋め立てて造られた土地で、駅の北側は、いわゆる「夢の島」区画で、公園、競技場、運動場、熱帯植物館、清掃工場などがあるだけで人は住んでいませんし、一般の事業所もありません。
これに対し、駅の南側には、住民こそほとんど0ですが、昼間人口は500m圏で4125人、事業所従業者数は「新木場1丁目」全域で6713人です。ここに5店舗(500m圏)+2店舗ですので、1店舗当たりで825~959人しかありません。
隔離マーケット
新木場は、いわゆる隔離マーケットに分類される特別な地域です。隔離マーケットとは、その地域内の人々が他に出ていくことがなく、その地域内で消費購買を行うようなマーケットです。たとえば、有料レジャー施設や文化施設内、あるいはイベント会場などが典型的です。こういう場所では、ほかに見られないほど高い値段で商品が提供されていたりすることがよくあります。
新木場は、有料で流入するわけではありませんので、緩やかな隔離マーケットと言っても良いでしょう。しかしながら、コンビニエンスストア以外の物販店がありませんので、少なくとも平日の昼間は7つの店で市場のポテンシャルをほぼ独占していることには違いありません。
店① 新木場で最も良い立地に出店しています。駅出入口の正面であるために、南側に通勤する従業者のほぼ100%が知覚でき、入店する可能性があります。加えて、北側に広がる「夢の島」地区のさまざまなスポーツ、文化施設に来場する人々が容易に来店できる唯一の店舗です。この店が、いわゆるコンビニ御三家でもなく、認知度のきわめて低いチェーン店であるにもかかわらず繁盛する所以です。
店② 2番目に優良な立地と言えます。店舗は駅ロータリーに面しているとともに、自動車道路との交差点角地に位置しています。10台駐車が可能なため自動車来店を期待できます。
また、自動車道路には中央分離帯が設置されているものの、反対側車線からは交差点でUターンすることで入店は可能ですし、店側を通ってきて来店した人も、一度道路に出た後車を200mほど直進することでUターンすることができます。
店③ 店前の間口がきわめて狭く(10m未満)、駐車も2台しかできません。
さらに、両隣の建物に遮られ、かつ街路樹があるため店舗の視界性にはきわめて難があるきびしい立地です。ただし、駅や交差点に近いこともあって店②の代替商品を求めたいときなどに利用する場合などの目的来店を期待できる場所ではあります。
店④ 店③と同一チェーンですので直接の競合状況は避けられません。ただし、こちらのほうは、店前に6台分、横に4台分、さらに空いた場所に5台分とじゅうぶんな駐車場を有しています。小型ならトラックの駐車も可能です。そのため店③が主に徒歩来店、こちらが主に車来店のような棲み分けを想定して出店していると考えられます。
店近くでUターンが可能であるため「反対側車線からのIN」・「反対側車線へのOUT」いずれもできる立地です。
店⑤ 店②と同じチェーンですが、道路を挟んで反対側である分、その棲み分けはより明確になっていると考えられます。理論上、同一チェーン間の競合は、相違チェーン間より強く働きます。距離をなるべく取る、反対側車線にする、来店手段を変えるなどの立地上の工夫が求められます。駐車台数は6台。ほぼ平均的な台数です。
店⑥ この立地はいわゆるオフィスビル内立地です。そのため営業時間も午前7時から午後10時までと限られています。
また、外に設置された看板もきわめて限定的なものになるため、ビルの外を通る人々の視界にはほとんど入りません。そのため外部からの利用者は望めません。さらに、休日の需要もきわめて限定的になります。そのため、賃借料その他における特別な優遇がないと難しい立地と言えます。
店⑦ 駅に近い大きな交差点角地に、和風ファストフードと共同して出店しています。駐車場は全部で21台と多く、小型トラックの駐車も可能です。
また、交差点角地であるため、視界性も良好であり、かつ、どの方向からも入場可能で、どの方向へも出場可能です。
将来予測
現状では、この地域のポテンシャルに対してオーバーストア気味の状況です。しかしながら、都心に近い強みを活かしてさらに事業所が増えたり、高層マンションができたりする可能性はじゅうぶんあります。したがって、すぐにではないにせよ、10年単位の将来的にコンビニの数は倍増することが考えられます。ただし、一時的には退店が続くかもしれません。
店⑦のここを学べ
異業種店同士で、交差点角地を共同出店することは立地の理に叶ったことです。交差点角地は、単独で借りようとするとどうしても賃料は高くなりがちです。広く借りることができれば、賃料単価を下げさせることもできるでしょう。また、狭い敷地にありがちな敷地への入場(IN)、退場(OUT)の難も、広くなることで解消できるものです(IN:図中の実線で可能OUT:図中の破線で可能)。
チェーン名称
店① SKM
店② ヤマザキデイリーストア
店③ ローソン
店④ ローソン
店⑤ ヤマザキデイリーストア
店⑥ ヤマザキデイリーストア
店⑦ セブンイレブン
※注 2008年度、駅別乗降者数総覧‘11(株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所)より
はやしはら やすのり 東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。定期的に開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。
23/06/12
22/05/20
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東京駅からJR京葉線で5駅目 新木場
新木場は、東京駅からJR京葉線で5駅目、江東区の新木場は駅乗降数130千人(注1)と多く、この4年間で22パーセントと増加し、メトロ有楽町線の終着点でもあります(95千人)。ほとんど都心と言って良いでしょう。激戦度は8位。
新木場駅の周辺は、この数十年の間に東京湾を埋め立てて造られた土地で、駅の北側は、いわゆる「夢の島」区画で、公園、競技場、運動場、熱帯植物館、清掃工場などがあるだけで人は住んでいませんし、一般の事業所もありません。
これに対し、駅の南側には、住民こそほとんど0ですが、昼間人口は500m圏で4125人、事業所従業者数は「新木場1丁目」全域で6713人です。ここに5店舗(500m圏)+2店舗ですので、1店舗当たりで825~959人しかありません。
隔離マーケット
新木場は、いわゆる隔離マーケットに分類される特別な地域です。隔離マーケットとは、その地域内の人々が他に出ていくことがなく、その地域内で消費購買を行うようなマーケットです。たとえば、有料レジャー施設や文化施設内、あるいはイベント会場などが典型的です。こういう場所では、ほかに見られないほど高い値段で商品が提供されていたりすることがよくあります。
新木場は、有料で流入するわけではありませんので、緩やかな隔離マーケットと言っても良いでしょう。しかしながら、コンビニエンスストア以外の物販店がありませんので、少なくとも平日の昼間は7つの店で市場のポテンシャルをほぼ独占していることには違いありません。
店① 新木場で最も良い立地に出店しています。駅出入口の正面であるために、南側に通勤する従業者のほぼ100%が知覚でき、入店する可能性があります。加えて、北側に広がる「夢の島」地区のさまざまなスポーツ、文化施設に来場する人々が容易に来店できる唯一の店舗です。この店が、いわゆるコンビニ御三家でもなく、認知度のきわめて低いチェーン店であるにもかかわらず繁盛する所以です。
店② 2番目に優良な立地と言えます。店舗は駅ロータリーに面しているとともに、自動車道路との交差点角地に位置しています。10台駐車が可能なため自動車来店を期待できます。
また、自動車道路には中央分離帯が設置されているものの、反対側車線からは交差点でUターンすることで入店は可能ですし、店側を通ってきて来店した人も、一度道路に出た後車を200mほど直進することでUターンすることができます。
店③ 店前の間口がきわめて狭く(10m未満)、駐車も2台しかできません。
さらに、両隣の建物に遮られ、かつ街路樹があるため店舗の視界性にはきわめて難があるきびしい立地です。ただし、駅や交差点に近いこともあって店②の代替商品を求めたいときなどに利用する場合などの目的来店を期待できる場所ではあります。
店④ 店③と同一チェーンですので直接の競合状況は避けられません。ただし、こちらのほうは、店前に6台分、横に4台分、さらに空いた場所に5台分とじゅうぶんな駐車場を有しています。小型ならトラックの駐車も可能です。そのため店③が主に徒歩来店、こちらが主に車来店のような棲み分けを想定して出店していると考えられます。
店近くでUターンが可能であるため「反対側車線からのIN」・「反対側車線へのOUT」いずれもできる立地です。
店⑤ 店②と同じチェーンですが、道路を挟んで反対側である分、その棲み分けはより明確になっていると考えられます。理論上、同一チェーン間の競合は、相違チェーン間より強く働きます。距離をなるべく取る、反対側車線にする、来店手段を変えるなどの立地上の工夫が求められます。駐車台数は6台。ほぼ平均的な台数です。
店⑥ この立地はいわゆるオフィスビル内立地です。そのため営業時間も午前7時から午後10時までと限られています。
また、外に設置された看板もきわめて限定的なものになるため、ビルの外を通る人々の視界にはほとんど入りません。そのため外部からの利用者は望めません。さらに、休日の需要もきわめて限定的になります。そのため、賃借料その他における特別な優遇がないと難しい立地と言えます。
店⑦ 駅に近い大きな交差点角地に、和風ファストフードと共同して出店しています。駐車場は全部で21台と多く、小型トラックの駐車も可能です。
また、交差点角地であるため、視界性も良好であり、かつ、どの方向からも入場可能で、どの方向へも出場可能です。
将来予測
現状では、この地域のポテンシャルに対してオーバーストア気味の状況です。しかしながら、都心に近い強みを活かしてさらに事業所が増えたり、高層マンションができたりする可能性はじゅうぶんあります。したがって、すぐにではないにせよ、10年単位の将来的にコンビニの数は倍増することが考えられます。ただし、一時的には退店が続くかもしれません。
店⑦のここを学べ
異業種店同士で、交差点角地を共同出店することは立地の理に叶ったことです。交差点角地は、単独で借りようとするとどうしても賃料は高くなりがちです。広く借りることができれば、賃料単価を下げさせることもできるでしょう。また、狭い敷地にありがちな敷地への入場(IN)、退場(OUT)の難も、広くなることで解消できるものです(IN:図中の実線で可能OUT:図中の破線で可能)。
チェーン名称
店① SKM
店② ヤマザキデイリーストア
店③ ローソン
店④ ローソン
店⑤ ヤマザキデイリーストア
店⑥ ヤマザキデイリーストア
店⑦ セブンイレブン
※注 2008年度、駅別乗降者数総覧‘11(株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所)より
はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。定期的に開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。