048-711-7195
107-0062 東京都港区南青山2-2-15-942
月~金 9:00~18:00
日大、武蔵、武蔵野音大 江古田
日大芸術学部、武蔵大、武蔵野音楽大があり、古くから学生の街 江古田
江古田駅(乗降数は3万5590人、※注)は、池袋駅から西武線で3駅目、近くには日大芸術学部、武蔵大、武蔵野音楽大があり、古くから学生の街で知られています。ここにコンビニが競って出店、激戦順位が前年の87位から16に急上昇しています。20歳代の単身世帯(主に学生)をどれだけ顧客化できるかが、生き残れる最大の要因と言えます。
A地域(駅北側の住宅街)の5店舗
北にある武蔵野音大へ向かう狭い南北道路に店①と②が出店しています。店①はローソン100ですが、駅に50mときわめて近い場所にあります。しかも北へ向かう人々のほぼ100%が知りえる立地でベストと言えましょう。それでも、周囲の従来型のコンビニに対して差別化を図った業態を選んでいます。店②は商店街の中の角地とはいえ商圏は北西方向に限定されるものと考えられます。現時点では“改装中”です。
店③も、同じ北西方向の人々を商圏としていると思われます。ただし、踏切(TG:ティージー:交通発生源)に近く、線路より南側に住む人々が2つのスーパー(SM)に向かう時の動線上にあるため南側にも大きく商圏が広がっているでしょう。
A地域で、特異な立地にあるのは店④です。日大芸術学部は道路と敷地の間に塀を設けていないため、道に沿ったどこからも見え、学生のほとんどに知られているでしょう。この店と対照的に店⑤は交差点(TG)からの視界性は難があります。道路を50m近く北上しないと辿りつけないことも立地上の弱点です。
B地域(駅構内・駅前)
江古田駅の改札横に店⑥、南口を出るとすぐ直前に店⑦があります。
⑥は駅構内に入らないと店に入れない点にやや難がありますが、通学する大学生の需要をしっかり吸引できるベストの立地に違いありません。
店⑦は、駅からの視界性は良好であり、かつ、武蔵大の学生の動線上にもあります。ここもベストです。
C地域(千川通り沿いの4店)
その武蔵大は学生数約5千人、江古田駅の南西にあります。この通学動線上にあるのが店⑧と店⑨です。店⑨は登校時に、また店⑧は下校時にきわめて立ち寄りやすい店です。
いずれも店前には信号付きの横断歩道があり、それらがTGにもなっています。
店⑨は学生以外にも、南側へ大きく商圏を伸ばしており有利な立地と言えます。
千川通り沿いには店⑩と店⑪がありますが、店⑩は駅の北側と店より南側の地域を結ぶ動線と千川通りの交差する五さ路の角地にあります。加えて、14階建てのやや高いマンションの1Fにありその需要をも抱えています。良い立地と言えます。
店⑪はその交差点からも離れ、かつ店の横の路地を人々が通る必然性も低いためやや難しい立地と言えます。
D地域(南側住宅街)
店⑫は車道に面していながら駐車場がありません。ただし、間口が10m以上と広く確保されており、周辺を歩く人々にとって無理のない視界性が確保されています。
店⑬は車道の交差点角地です。信号も付いていますので、ここを通る多くのドライバーには知られやすい立地と言えます。ただし、この店にも駐車場はありません。
近未来予測
江古田駅周辺は、細い道が入り組んでおり、なかなか角地などの物件で立地が良いものは見つかりにくい地域です。それでも、13店ものコンビニが出店しているというのは、学生、とりわけ20代単身世帯が多く住んでいることを当て込んでのことと考えられます。したがって、そうした潜在需要を取り切れない中途半端な立地では生き残りは難しくなってきます。数店の撤退が推測されます。
店④の「ここを学べ!」
仮に次のことが偶然だったとしたら、その偶然に感謝しなければいけないかもしれません。
1.)日大芸術学部のキャンパスと道路の間に塀のようなものがなく店が良く見える(視界性が良い)。
2)歩道と車道との間にはガードレールがあって仕切られているが、店の直前部分だけ空いている。
3)校舎に小さな出入り扉が設置され、店とそのガードレールの隙間に向かう歩道まで整備されている。
偶然ではなく、店側からの何らかの働きかけでそうなったのだとしたら、その努力は学に値するものです。一度見学してほしい。
写真4-2
店4の正面に、校舎への小さな出入り扉と、専用歩道が設置されている。果たしてこれは偶然だろうか?
※注 2008年度、駅別乗降者数総覧‘11(株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所)より
はやしはら やすのり 東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。毎月開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。昭和31年生55才 http://www.sorb.co.jp
23/06/12
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日大芸術学部、武蔵大、武蔵野音楽大があり、古くから学生の街 江古田
江古田駅(乗降数は3万5590人、※注)は、池袋駅から西武線で3駅目、近くには日大芸術学部、武蔵大、武蔵野音楽大があり、古くから学生の街で知られています。ここにコンビニが競って出店、激戦順位が前年の87位から16に急上昇しています。20歳代の単身世帯(主に学生)をどれだけ顧客化できるかが、生き残れる最大の要因と言えます。
A地域(駅北側の住宅街)の5店舗
北にある武蔵野音大へ向かう狭い南北道路に店①と②が出店しています。店①はローソン100ですが、駅に50mときわめて近い場所にあります。しかも北へ向かう人々のほぼ100%が知りえる立地でベストと言えましょう。それでも、周囲の従来型のコンビニに対して差別化を図った業態を選んでいます。店②は商店街の中の角地とはいえ商圏は北西方向に限定されるものと考えられます。現時点では“改装中”です。
店③も、同じ北西方向の人々を商圏としていると思われます。ただし、踏切(TG:ティージー:交通発生源)に近く、線路より南側に住む人々が2つのスーパー(SM)に向かう時の動線上にあるため南側にも大きく商圏が広がっているでしょう。
A地域で、特異な立地にあるのは店④です。日大芸術学部は道路と敷地の間に塀を設けていないため、道に沿ったどこからも見え、学生のほとんどに知られているでしょう。この店と対照的に店⑤は交差点(TG)からの視界性は難があります。道路を50m近く北上しないと辿りつけないことも立地上の弱点です。
B地域(駅構内・駅前)
江古田駅の改札横に店⑥、南口を出るとすぐ直前に店⑦があります。
⑥は駅構内に入らないと店に入れない点にやや難がありますが、通学する大学生の需要をしっかり吸引できるベストの立地に違いありません。
店⑦は、駅からの視界性は良好であり、かつ、武蔵大の学生の動線上にもあります。ここもベストです。
C地域(千川通り沿いの4店)
その武蔵大は学生数約5千人、江古田駅の南西にあります。この通学動線上にあるのが店⑧と店⑨です。店⑨は登校時に、また店⑧は下校時にきわめて立ち寄りやすい店です。
いずれも店前には信号付きの横断歩道があり、それらがTGにもなっています。
店⑨は学生以外にも、南側へ大きく商圏を伸ばしており有利な立地と言えます。
千川通り沿いには店⑩と店⑪がありますが、店⑩は駅の北側と店より南側の地域を結ぶ動線と千川通りの交差する五さ路の角地にあります。加えて、14階建てのやや高いマンションの1Fにありその需要をも抱えています。良い立地と言えます。
店⑪はその交差点からも離れ、かつ店の横の路地を人々が通る必然性も低いためやや難しい立地と言えます。
D地域(南側住宅街)
店⑫は車道に面していながら駐車場がありません。ただし、間口が10m以上と広く確保されており、周辺を歩く人々にとって無理のない視界性が確保されています。
店⑬は車道の交差点角地です。信号も付いていますので、ここを通る多くのドライバーには知られやすい立地と言えます。ただし、この店にも駐車場はありません。
近未来予測
江古田駅周辺は、細い道が入り組んでおり、なかなか角地などの物件で立地が良いものは見つかりにくい地域です。それでも、13店ものコンビニが出店しているというのは、学生、とりわけ20代単身世帯が多く住んでいることを当て込んでのことと考えられます。したがって、そうした潜在需要を取り切れない中途半端な立地では生き残りは難しくなってきます。数店の撤退が推測されます。
店④の「ここを学べ!」
仮に次のことが偶然だったとしたら、その偶然に感謝しなければいけないかもしれません。
1.)日大芸術学部のキャンパスと道路の間に塀のようなものがなく店が良く見える(視界性が良い)。
2)歩道と車道との間にはガードレールがあって仕切られているが、店の直前部分だけ空いている。
3)校舎に小さな出入り扉が設置され、店とそのガードレールの隙間に向かう歩道まで整備されている。
偶然ではなく、店側からの何らかの働きかけでそうなったのだとしたら、その努力は学に値するものです。一度見学してほしい。
写真4-2
店4の正面に、校舎への小さな出入り扉と、専用歩道が設置されている。果たしてこれは偶然だろうか?
※注 2008年度、駅別乗降者数総覧‘11(株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所)より
はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。毎月開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。昭和31年生55才 http://www.sorb.co.jp