「立地診断」クリニック 激戦地「近未来予測」  月刊コンビニ連載2012年5月号

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「立地診断」クリニック 激戦地「近未来予測」  月刊コンビニ連載2012年5月号

立地について,月刊コンビニ

2017/10/26 「立地診断」クリニック 激戦地「近未来予測」  月刊コンビニ連載2012年5月号

「立地診断」クリニック

激戦地「近未来予測」  月刊コンビニ連載2012年5月号

ソルブ代表 林原安徳

 

第14回 激戦地はどう変わったか?

 

このシリーズが始まって、すでに1年以上になります。その間にもコンビニ各社は各様の出店、退店をしています。

そこで、昨年秋に公開されたコンビニ配置データを元に、再度、統計解析し、激戦地がどのように変わったのか調べてみることにしました。

ただし、最新とは言っても、今回は2011年の4月時点のものであることをご了承ください(前回は、2010年のものでした)。

 

激戦順位の算出法

 

激戦順位を出す前に、駅周辺の「支持人口」を求めました。これは、駅周辺500メートル圏での人口(1)、昼間人口(2)、そして購買人口のうちもっとも大きな値を指しています。住宅地が多い地域は、人口=夜間人口がもっとも大きくなります。これに対して、事業所や学校などが多く流入の大きい地域は、昼間人口が大きくなり、また、新宿や渋谷のように商業が盛んな地域ならば購買人口が大きくなります(購買人口は、商業統計(3)で明らかになる小売業年間販売額を106万円{1人当たりに換算した同販売額})で割って算出したものです)。

 

また、激戦かどうか、少なくともコンビニ店が駅の周りに3店以上あることを前提条件としました。この前提を満たしている東京の駅は、今回、554箇所ありました。したがって、激戦順位の分母はこの554ということになります。

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新しい激戦順位

1をご覧ください。

1位(有明駅)、2位(国際展示場駅)は前回と同じ、さらに13位、19位を含め4駅がお台場です。人口も、昼間人口も少なく、商業が発達しているわけでもないのにコンビニが多数出店しています。しかし、この地域は、今までの統計では捉えることはできない、レジャー流入や展示会見学流入があり、各社はそれらのポテンシャルを効率よく吸引するベスト配置をとっています。だから激戦地でも残れますし、今後も増えるかもしれません(2011年5月号参照)。

新たに20位内に顔を出した駅には、JR五日市線の武蔵増戸駅、八高線の箱根ヶ崎駅がありますが、いずれも店数は3です。1店当りの支持人口が1千人しかなく、ローカルな地域での激戦が始まりました。

都心で注目すべきは、西武池袋線の江古田駅です。前回は87位ですが、1店増やして合計13店になりました(16位)。

東京メトロ東西線の葛西駅は、2店増やし16店になっています(12位)。

いずれも、コンビニ各社にとって魅力を感じる地域であることが推定されます。実査でこの謎を解き明かしたいと思います。

 

あの激戦地は今

大塚駅、大塚駅前駅は、この表の中では相変わらず群を抜いて店舗数が多く、24店舗。1店舗減少があり順位をやや下げたものの、お台場エリアのコンビニ同様まだ健在です。

これに対して、店舗数が9と前回と同じにも関わらず順位を下げた駅があります。品川シーサイド駅です。これは、周辺の購買人口、すなわち小売業年間販売額が約4倍に増えたからです。その分だけ流入が増え、激戦度も緩和されたということです。

同様に、豊洲駅でも購買人口は2632人から1万5918人へ6倍に増えています。そのため、店舗数が2店舗増え10店舗になったにも関わらず激戦順位は4位から61位へと大きく下げています。

これらの事例は、商業的発展性の余地がある地域では積極的に出店していくべきだということを暗示しています。

 

全体としての閉店・新店状況

2011年4月現在で、都内には6063店ものコンビニが凌ぎを削っています。その1年前は6082店でしたので19店減っていることがわかります。

その内容をよく見ると、実際は、閉店・業態転換したのは731店と全体の12パーセントを占めています。特に、ampmがその約4割を占め333店が閉店しています。その3分の1強の123店はファミリーマートへの業態転換で、残り3分の2弱の210店は別事業への転換、あるいは廃業したことが分かりました(ちなみにこれは2010年に筆者が予測した通りの割合です)

ファミリーマートに次いで、ローソンストア100の新店数がきわだって高く、今後どの駅前商圏においても出店してくる可能性を示唆しています。

新店数より閉店数が多いコンビニ各社とは対照的に、セブンイレブンやローソンは店数を伸ばしています。今後の立地開発も期待できるところです。

 

さて次号以降は、激戦順位の20駅(全体の0.5パーセント未満)にしばられず、店数が急激に増えたなど特徴のある駅、地域を実査し、紹介して行きます。

 

 

※注1 2005年国勢調査

※注2 2000年リンク統計

※注3 2007年商業統計調査

※注4 表15、図は、昭文社スーパーマップルデジタル2010年版、2011年版に掲載された公開情報を元に、ソルブ社が独自にデータ収集、集計したものです。

 

 

図 のキャプション

新宿周辺のコンビニと駅500m圏

点で表示されているのがコンビニ店。四角形が駅。丸い円が駅500m圏。

コンビニは主として駅周辺に分布しているが、駅のないところでも少なからず出店していることがわかる。

 

 

はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。毎月開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。昭和31年生55才 http://www.sorb.co.jp

 


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