人口を抱える東京メトロ有楽町線の赤塚駅

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人口を抱える東京メトロ有楽町線の赤塚駅

立地について,月刊コンビニ

2017/10/26 人口を抱える東京メトロ有楽町線の赤塚駅

東京都心と言えるほどの人口を抱える東京メトロ有楽町線の赤塚駅  

 

JR池袋駅から北西へ7.5km、東京都心と言えるほどの人口(500m圏内で15千人)を抱える東京メトロ有楽町線の赤塚駅(乗降数は29784人、※注1)を実査しました。都内17位の激戦地です。

 

小川駅500m圏の夜間人口は1万5362人(※注2)、昼間人口は9218(※注3)。この範囲で12店舗が出店し激戦しています。ここでは、A駅の南側住宅街とB同川越街道沿い、C下赤塚駅北側の3地域に分けて見ていきます。

A地域(駅の南側住宅街)の3店舗

人口が密集する都心のような住宅街は、常に「同業店も狙っている」と用心しておかなければなりません。「住宅が多ければどこに出しても大丈夫」的な甘い見通しをしていると必ずしっぺ返しを受けます。その点A地域に出店したコンビニ3店はいずれも、立地のポイントをしっかり押さえており見事と言えます。

①(ファミリーマート)は、周辺に建てられた3~5階建ての中層マンションに住む住民がほぼ必然的に通るであろう角地(=TG:交通発生源)に出店しています。また、住宅街としてはやや広めの道路に面しており、自動車の通行も少なくないことから、しっかり駐車場を3台分確保しています。

この店からさらに300mほど住宅街に入ると、センターラインが引かれている道路に出ます。この道は川越街道から分岐した道路ですので車通行量が多くなります。ただし、車客から売上を期待するには駐車場が必須です。

しかし、店②(ローソン)の立地は、駐車場がなくても車を止めやすいことがわかります(図2)。

A地域で、ベストの立地には、店③(ミニストップ)が出店しております。ここは、西側に住む中層マンション等の人々が駅に向かうときに必ず通る交差点に立地しているからです。ここならば、①、②の店は知らなくても、この店③は知っているという住民はきっと多いに違いありません。

 

B(川越街道沿い)の5店舗

地下鉄は、川越道路の下を通っています。そのためこの道路沿いの両側には、4個所の出入り口が設置されております。そして、ほぼそれらの出入り口近くにコンビニが出店しています。

東側の店④(スリーエフ)は地下鉄出入り口と、住宅街から街道に出てくる交差点の角地に位置しています。横断歩道は店の直前についておりベストの立地と言えるでしょう。

店⑤(ローソン)も直前は、横断歩道です。

店⑥(ローソンストア100)は、前述の③(ミニストップ)と同じ住宅道路を往来する人々を共有しますので、本来なら、強い競合状態になっているところです。 しかし、商品構成が異なるので若干緩和されていると推定されます。

ただし、街道はこの⑥が面するところでは、横断歩道がなく地下鉄出入り口から離れており、歩行者の通過性がやや高い立地です。

店⑧(セブンイレブン)は、街道の中央分離帯が切れた横断歩道に近いため視界性が良く、東武東上線下赤塚駅に向かう動線上にあることで決して悪い立地ではありません。

また、店⑦(ミニストップ)は、地下鉄出入り口に近接しており、ここを利用する地域の北側の人々にとってもっとも便利な立地と言えるでしょう。

ところで、以上の5店舗には、駐車場がありません。それは使える遊休地がないばかりか、この地域の賃料相場が高いことが主な理由と言えます。

C下赤塚駅北側の4店舗

9(エーエムピーエム)は閉店してしまいました。この店は東武東上線下赤塚駅の北口改札のほぼ隣接する立地にあったのです。立地が良い店が撤退する理由はいくつかありますが、一つは売上げに対して賃料が高過ぎた場合、ほかには面積が小さ過ぎるなどの理由から、本来の販売力を駆使することができず売上げが取れなかった場合などがあげられます。

今回の場合は、後者の理由によるものと思われます。

 

この地域には、北側を南北に貫く道路と東から向かって来る道路の交差点角地に店⑩(サンクス)が出店しています。ここはベスト立地と言えます。

それに対して、店⑪(ローソンストア100)や店⑫(セブンイレブン)は角地でもなければ、駐車場もありません。難しい立地に出店しています。

 

近未来予測

ABなど駅の南側は、その要所、要所のほとんどがすでに押さえられており、これ以上の出店余地はないように見受けられます。

また、赤塚周辺の商業地は主に東武東上線「下赤塚駅」の北側にあるものの、この駅の乗降数は減少の一途を辿っており、とりわけ副都心線が開業したことでさらに拍車がかかっています。そのため北側での出店も難しく、ここでの淘汰は近いと思われます。

 

店②の「ここを学べ!」

店前道路は川越街道と繋がっているため車の通行量も少なくはありません。しかも、道幅が広くセンターラインも引かれています。本来ならば、しっかり駐車場を確保すべき立地であると言えます。しかし、都心に近い場所ではなかなか専用駐車場の確保は難しい。

そこで、この店(ローソン)の近くに空き地があるように、ある程度、空間的余裕を持った場所に出店することが望ましいのです。

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店④の「ここを学べ!」

この店④(スリーエフ)は交差点角地に面しています。

しかも、この交差点はただの交差点ではありません。南から住民が駅や商店街へ向かうときに必ず出てくる所です。そして、北側から帰ってくる場合には、横断歩道で店の真正面に立つことになり、視界性評価は抜群です。

さらに、地下鉄赤塚駅に隣接しています。これ以上の立地はないでしょう。難点を言えば、物件が変形なことです。この点を克服できているのは、よく頑張っていると言えるでしょう。

 

 

※注1 2008年度、駅別乗降者数総覧‘11(株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所)より

※注2 2005年度国勢調査

※注3 2000年度リンク統計

※注4 2010年12月、ブリヂストン公式ホームページより

 

はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。毎月開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。

 

  チェーン名 角地 備考
1 セブンイレブン 駅構内
2 セブンイレブン
3 ファミリーマート 4と競合
4 ファミリーマート 3・5と競合
5 セブンイレブン
6 ローソン100
7 ローソン 6,7,8,4,5と競合
8 ファミリーマート
9 サンクス ビル1F 駅動線あり
10 ローソン ビルB1F 駅動線あり
11 サークルK 独立店舗
12 ミニストップ ビル1F
13 ampm 閉店
14 ファミリーマート
15 ミニストップ 公園から視界性良好
16 ローソン100 ×

 

 

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