失敗する! 住宅密集地

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立地について,月刊コンビニ

2017/10/26 失敗する! 住宅密集地

「オーナーのための立地の見方

こんな店舗は失敗する! 第1回 住宅密集地」

 

言うまでもないことですが、コンビニエンスとは、便利性を意味します。この主旨は24時間店が開いていて、欲しいときに欲しいものがすぐに手に入る、必要なときに必要なことができる、そういった意味での便利性を指していますが、こうした便利性とはまったく別の「立地上の便利性」をも人々に与えていることは確かです。
ですから「立地が良い」とは、詰まるところ、人々にとって便利な立地に店舗があることです。これがない店舗は、コンビニ店はもとより、飲食店をはじめほとんどの店がだめになってしまいます。

ですから、立地で失敗をしないためには、「この場所が、周辺の多くの人々にとって、本当に便利な場所なのかどうか」を十分考え、判断することに尽きます。

では、もっと具体的に地図(これは架空の地図です)を見ながら、説明していきましょう。

ここは、住宅密集地です。中央に片側1車線の自動車道路が横切っており、その南側沿いに、食品スーパー(この代わりに「鉄道駅」があったとしても立地的には同じことです)と学校があります。人々は、この周辺にほぼ均等に住んでいます。

自動車道にほぼ沿うように物件AからEまでの5つの物件があるとします。さて、あなたはどの物件を選ぶでしょうか。

物件A

この物件は、食品スーパーの向かいにあるため、その利用者からの視界性は街路樹などが覆い茂っていない限りきわめて良いと思われます。このスーパーは人々の動きを集中させる働きがあるTG(Traffic Generator:交通発生源)の一つですから、その視界性が良いということは、地域の人々に十分認知されやすい立地であると言えるでしょう。

しかし、店の視界性が良いことと、便利さとは別のことです。

南側(地図の下側)にいる人々は、わざわざ自動車道を横断しなければ店に行けませんし、北側(地図の上側)にいる人々でも食品スーパーに行く前も行った後でも、この物件に寄るためには、人々は、左右いずれの横断歩道からも「50mほど行って戻る」という行動をわざわざしなければなりません。これでは「便利」とはとても言えません。

ですから、食品スーパーに来る人々は、この立地に立ち寄らないと考えるべきです。この立地ように、2つの横断歩道のほぼ中間にあるような立地は要注意です(横断歩道を鉄道駅と言い換えてもやはり同じことが言え、2つの鉄道駅のほぼ中間にあるような立地も危うい立地です)。

物件B

この物件は、自動車道路には面していませんが、物件前の小道は、北側の人々が食品スーパーに向かう際に通る道となっているようです。ですから、これならば、北側の人々の購買ポテンシャルをじゅうぶん吸引できそうです。が、しかし、自動車道に面していないことは実はとても致命的なことなのです。なぜなら、北側から来る人々は、物件前の道路を通ってくるとは限らず、人々は、少しでも早く広い道路に出ようという心理が働くので、この地図で右端に描かれた小道から自動車道路のほうへ出てくる人も大勢いることでしょう。するとこの人達は、物件Bの存在にさえ気づきません。もちろん、自動車での来店は望めそうもなく、ここも貧乏立地です。

物件C

横断陸橋もあり、このすぐ近くにあるから、向かいの学校からも来れそうです。そして、自動車での来店も期待できそうです。

しかし、陸橋はまったくあてになりません。すぐ近くに「便利な」横断歩道があるので、人々のほとんどはこの陸橋を上り下りすることはありません。さらに、自動車での来店もガードレールがあったら、ほとんど期待できません。ここもに貧乏神が住む立地です。

物件D

ここは、物件Cより学校の正門に近いという有利な立地です。学校も、人々の行動を集中させる働きがありますので、TGの一つです。

しかし、学校と言っても、小・中学校ではあまり影響力のあるTGとは言えません。せいぜい文房具や雑誌を時たま購入してくれるくらいでしょう。

それに比べると、高校や専門学校、そして大学や大学予備校などになるとTGとしての影響は非常に大きくなります。自由になるお金、自由になる時間をふんだんに持っているからです。

物件E

消去法で残るのは、この立地ということになりますが、それだけでなくこの立地ならば、食品スーパーを利用する人にも学校に来る人にも、そして、南側や北側に住む人にもここは便利な場所です。もっと角地にあればもっと視界性も良くなりますが、ここなら立地としては十分です

(ただし、食品スーパーの品揃えや価格・営業時間にコンビニ以上の大きな優位性があるような場合、一転してたいへん厳しい立地となることがあるので一概に言えないこともあります)。

 

以上のように、同じ半径50m以内にあったとしても、立地の良否は天と地ほども異なってしまうのです。

 

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