22店がひしめく京急蒲田駅

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22店がひしめく京急蒲田駅

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2017/10/25 22店がひしめく京急蒲田駅

第10回 京急蒲田駅

 

今回は、東京の最南端に近い京急蒲田駅(駅乗降数48,666人、注1)周辺を取り上げます。駅を中心とした500m圏の1店当り支持人口は1,104人と激戦度は都内9位で、おおむねこの圏内に22店舗がひしめいています。

地域を5つに分けて解説します。

地域A

京急線よりもJR線の蒲田駅に近い地域です。

この地域では、いかに徒歩客を効率的に吸引できるかが競争のポイントになります。

中では、店1は交差点角地にあるばかりか、大田区役所の玄関正面に面しており立地としては群を抜いております。

A地域は、細い道、商店街が入り組んでいます。そのため、蒲田駅のごく近くを除き、おおむねどこも人々の集中度に欠け、難しい立地ばかりです。

ただし、再開発によって98年に整備された「アロマスクエア街区」は、相当人数の就業などの流入が見込まれ、その街区ビルの中にオープンした店5はもちろん、その周辺にある店6、店7は立地上有利な位置にあります。

しかし、駅前ロータリー店2と店3(いずれもローソン)は閉店しており、また、コンビニとしては、最低限角地にあることが望まれますが、店4および店8はいずれも角地にはありません。

地域B

東西に走る多摩堤通りに面した地域です。4店舗が該当します。

徒歩来店のみならず、自動車での来店ができるかどうかが競争のポイントです。駐車場を確保しているのは店13のみです。ただし、第1京浜道路からの視界性にはきわめて難があります。

また、店10、店12は信号のある角地にあり、かつ、路幅の広い道に面しており有利な立地と言えます。店11はSHOP99から別業態へ変わりました。

地域C

京急蒲田駅から東へ続く住宅街の道路です。

一般的に、鉄道駅や交通量の多い自動車道がない住宅街の中は不利な立地とされています。この不利をいかに有利に転じることができるかが立地競争のポイントと言えます。

店14は、それができず閉店しています。また、店15も視界性が悪く難しい立地です。いずれも交差点にきわめて近い場所であるにもかかわらずこのような状況です。

これに対して、店16は、信号のある角地にあるばかりでなく、敷地には9台以上の駐車スペースがあり、数少ない自動車利用者を効率よく吸引しています。

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地域D

環八道路および第一京浜道路に面して出店している地域です。

自動車での来店、徒歩客の両方の来店が期待できることが競争のポイントです。しかし、専用の駐車場があるのは店20だけです。店18は駐車場こそないものの店側車線を走る自動車からの視界性はきわめて良く、抜きんでています。店17は視界性こそ劣るものの、信号が付いた横断歩道が直前にあり、しかも商店街の入り口に位置しています。

駐車場がなく、交差点からも離れた立地にある店19は閉店しております。

店21はテクノポートカマタビル内に出店しておりますが、第一京浜道路に縦型の看板を設置することによって、自動車での来店をも期待しております。

地域E

京急蒲田駅に近い西口地域です。

いずれも、徒歩客ばかりを期待した立地にあります。競争はどれだけ人々が集中する立地に出せるかにかかっています。

店22は自動車も通る狭い道路の交差点角地にあります。また、店23は側道のある角地に面しており視界性も良い。そして、これら2店は郵便局、税務署、区の分庁舎などがあるややオフィス性の高い地域にあるため、所用のため流入する人々をも顧客とすることができます。

店24は、京急とJRの駅間におけるもっとも集中度の高い道路の交差点にあります。これは立地上きわめて有利な点です。

店25は古くからの商店街の中に出店しておりますが、歩く人からの視界性にはやや難があります。

 

店6、店7の「ここを学べ!」

 

この2店舗は、互いに面しあっており、それだけ激戦であると言えます。

店6は、「アロマスクエア街区」から出てきた人々とって良く見える、すなわちきわめて視界性が良い店です。これに対して、店7は全く見えません。店7の視界性は難ありです。

しかし、その店7の脇サイドには、抜け道があり、「アロマスクエア街区」から出てきた人々が頻繁に通っていることが観察されます。それは店7のほうが「到達容易性」がきわめて高いことを意味しています。

 

 

店16の「ここを学べ!」

 

住宅街の中は、TGが近くになかったり、道路交通量が少なかったりすることが通常であり、どのチェーンも避ける不良立地です。この店16も、西の京急蒲田駅や南の糀谷駅まで500m以上も離れており、その駅や商店街からの回遊をまったく期待できない住宅街の中にあります。しかし、この店には駐車場が9台確保されています。

これが重要な点です。このおかげで周辺住民が自動車で行動する場合に、商店街に停めるわけにいかず、ここはたいへん便利な場所になるからです。

 

 

 

近未来予測

この数年ですでに、閉店や業態変更が始まっており、その合計は5店舗、調査した店舗の2割にもなります。しかし、閉店はこれだけに留まらないと推測される。とりわけ、商圏が伸びることに大きな制約を受けていると考えられる店4、店8、店9、店12、店15は要注意でしょう。また、一方で、第一京浜沿いや環八通り沿い、東南の住宅街の中に出店の余地があると考えられます。したがって、物件さえ見つかれば3店以上の開店があるかもしれません。

 

 

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