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優劣の結果がはっきり 東小金井
優劣の結果がはっきり出そうな東小金井
今回は、東京を東西に結ぶ中央線、新宿と立川のほぼ中央に位置する東小金井駅をとりあげます。この周辺は、半径500m圏内の人口8189に対して9店舗、1店舗当たり910人しか支持人口がいないという「超」をつけても良いほどの激戦区です。
生き残るのはどの店か。さっそく実査で検証してみましょう。
駅の改札は1か所。ここから南へも北へも自由に出られます。まず、南口です。
南口を出ると、そこは小ぶりな駅前ロータリー、これに沿ってSガストや松屋などのファストフードに続いて、店舗1(セブン)が出店しています。
角地でこそないものの駅南口利用者の大半が通る絶好の場所に立地しています。この店を見逃す人はほとんどいないでしょうから、視界性評価は満点です。
ここから南口の商店街が始まります。
南口のほうが北口より、住宅の密集度は高いのですが、この商店街には空家、「テナント募集中」、空き地が目立ちます。駅から離れるにつれその度合いが強まり、約300mほど行った店舗2(ミニストップ)では、すぐ近くにあるはずの信用金庫さえ撤収している有様です。
実は、ここまで来ると立地的にはひじょうに厳しい。それは、周辺の道路が碁盤の目状になっているためです。こういう場合、人々は、どの道を選んでも歩く距離は同じなため、その時々の状況によって分散してしまうからです。もし、この店が生き残ろうとするなら地域の西側にある東京農工大に近い自動車道沿いに、できれば交差点近くに移転しなければならないでしょう。
駅に戻り、店舗3(ファミリーマート)があるところはどうでしょう。
ここは先ほどの店舗1がある商店街に対して裏通り的な場所です。しかし、南東に住む人々が駅に向かう際になんとか視界に入ります。その意味ではギリギリな立地と言えます。
しかも、その南東ですが、駅から約300mに店舗4(セブン)が出店しています。
この店には、4台分と少ないながら駐車場があります。ですから、自動車での来店も期待できます。それだけ、店舗3より立地は良いと言えるでしょう。
今度は、東小金井駅の北側を見てみましょう。店舗4のすぐ近くの道路を北上すると、店舗5(セブン)に行き当たります。
「北大通り」という交通量の多い通りです。
こちらのほうは、交差点の角地に、10台以上駐車可能な大きな敷地で出店しています。自動車も頻繁に往来しており、商圏は東西に大きく広がっていることが推測されます。サインポールは反対側車線を走る車からは、電線がやや邪魔ををするものの、はっきりセブンであることが識別できます。
ただ、店側車線100m手前からの視界性は、街路樹に遮られてほとんどありません。こういうようなときは、交差点角地にあることが有利に働きます。ほぼ1分毎に車の動きを止めてくれるからです。止まればドライバーは自然とその店を知覚します。
同じ北大通りを500m西に行った、やはり交差点角地に店舗6(サンクス)が出店しています。
この周りには、ジョナサンや魚屋路、西松屋と名だたるチェーン店も出店していますが、いずれも駐車場を多く備えています。
しかし、この店にはありません。ですから自動車での来店は困難ですので、通行人をあてにするしかありません。
といって見回すと、けっこう人が歩いている状況が目に飛び込んできます。しかも、圧倒的に若い学生風が多い。実はこの人達は、そこよりさらに北500mほどのところにある法政大学工学部の学生です。店舗6は、駅―大学動線上にあります。
この店舗より北には、ローソンやローソンストア100があり、これらとの競合関係にあることが伺えます。
また、この同じ動線を駅の近くで共有していると思われるのが、店舗7(ローソンストア100)です。
厳密に言うと、この動線からはややはずれていますので、そのぶんこちらの店の立地は難があると言えます。
駅前には、同じブランドで、店舗8(ローソンストア100)が出店しています。この店からの影響はじゅうぶん考えられます。
店舗8は、住民はもちろん東京電機大高との動線上にあります。
そして、すぐ近接して店舗9(サンクス)がありますので、
この2店は完全な競合が起きる位置関係と言えます。周辺ポテンシャル(人口や就業者数、学生数等)が大きくなるか、店舗お互いが完全な補完関係にならない限り、どちらか一方しか残れないような状況です。
総括
東小金井駅周辺、特に北側は少しづつ住民も増え、開発も進みつつあります。また、大学や高校もあります。しかしだからといって、それぞれの店舗が独立した商圏を持っているわけでもなく、特殊な需要をカバーしているわけでもありません。ですから、その多くが商圏を重複している現状の9店舗は過剰な出店と結論します。残念ですが、今後、商圏での激変が起きてすべてに有利な状況が生ずるようなことがない限り、そのまま立地を放置していると半数近くの店が撤退を余儀なくされるのではないかと推測いたします。
プロフィール】
はやしはら やすのり 東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。毎月開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。http://www.sorb.co.jp
東小金井駅周辺のコンビニ 立地状況
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
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21/08/01
21/07/31
21/07/10
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優劣の結果がはっきり出そうな東小金井
今回は、東京を東西に結ぶ中央線、新宿と立川のほぼ中央に位置する東小金井駅をとりあげます。この周辺は、半径500m圏内の人口8189に対して9店舗、1店舗当たり910人しか支持人口がいないという「超」をつけても良いほどの激戦区です。
生き残るのはどの店か。さっそく実査で検証してみましょう。
駅の改札は1か所。ここから南へも北へも自由に出られます。まず、南口です。
南口を出ると、そこは小ぶりな駅前ロータリー、これに沿ってSガストや松屋などのファストフードに続いて、店舗1(セブン)が出店しています。
角地でこそないものの駅南口利用者の大半が通る絶好の場所に立地しています。この店を見逃す人はほとんどいないでしょうから、視界性評価は満点です。
ここから南口の商店街が始まります。
南口のほうが北口より、住宅の密集度は高いのですが、この商店街には空家、「テナント募集中」、空き地が目立ちます。駅から離れるにつれその度合いが強まり、約300mほど行った店舗2(ミニストップ)では、すぐ近くにあるはずの信用金庫さえ撤収している有様です。
実は、ここまで来ると立地的にはひじょうに厳しい。それは、周辺の道路が碁盤の目状になっているためです。こういう場合、人々は、どの道を選んでも歩く距離は同じなため、その時々の状況によって分散してしまうからです。もし、この店が生き残ろうとするなら地域の西側にある東京農工大に近い自動車道沿いに、できれば交差点近くに移転しなければならないでしょう。
駅に戻り、店舗3(ファミリーマート)があるところはどうでしょう。
ここは先ほどの店舗1がある商店街に対して裏通り的な場所です。しかし、南東に住む人々が駅に向かう際になんとか視界に入ります。その意味ではギリギリな立地と言えます。
しかも、その南東ですが、駅から約300mに店舗4(セブン)が出店しています。
この店には、4台分と少ないながら駐車場があります。ですから、自動車での来店も期待できます。それだけ、店舗3より立地は良いと言えるでしょう。
今度は、東小金井駅の北側を見てみましょう。店舗4のすぐ近くの道路を北上すると、店舗5(セブン)に行き当たります。
「北大通り」という交通量の多い通りです。
こちらのほうは、交差点の角地に、10台以上駐車可能な大きな敷地で出店しています。自動車も頻繁に往来しており、商圏は東西に大きく広がっていることが推測されます。サインポールは反対側車線を走る車からは、電線がやや邪魔ををするものの、はっきりセブンであることが識別できます。
ただ、店側車線100m手前からの視界性は、街路樹に遮られてほとんどありません。こういうようなときは、交差点角地にあることが有利に働きます。ほぼ1分毎に車の動きを止めてくれるからです。止まればドライバーは自然とその店を知覚します。
同じ北大通りを500m西に行った、やはり交差点角地に店舗6(サンクス)が出店しています。
この周りには、ジョナサンや魚屋路、西松屋と名だたるチェーン店も出店していますが、いずれも駐車場を多く備えています。
しかし、この店にはありません。ですから自動車での来店は困難ですので、通行人をあてにするしかありません。
といって見回すと、けっこう人が歩いている状況が目に飛び込んできます。しかも、圧倒的に若い学生風が多い。実はこの人達は、そこよりさらに北500mほどのところにある法政大学工学部の学生です。店舗6は、駅―大学動線上にあります。
この店舗より北には、ローソンやローソンストア100があり、これらとの競合関係にあることが伺えます。
また、この同じ動線を駅の近くで共有していると思われるのが、店舗7(ローソンストア100)です。
厳密に言うと、この動線からはややはずれていますので、そのぶんこちらの店の立地は難があると言えます。
駅前には、同じブランドで、店舗8(ローソンストア100)が出店しています。この店からの影響はじゅうぶん考えられます。
店舗8は、住民はもちろん東京電機大高との動線上にあります。
そして、すぐ近接して店舗9(サンクス)がありますので、
この2店は完全な競合が起きる位置関係と言えます。周辺ポテンシャル(人口や就業者数、学生数等)が大きくなるか、店舗お互いが完全な補完関係にならない限り、どちらか一方しか残れないような状況です。
総括
東小金井駅周辺、特に北側は少しづつ住民も増え、開発も進みつつあります。また、大学や高校もあります。しかしだからといって、それぞれの店舗が独立した商圏を持っているわけでもなく、特殊な需要をカバーしているわけでもありません。ですから、その多くが商圏を重複している現状の9店舗は過剰な出店と結論します。残念ですが、今後、商圏での激変が起きてすべてに有利な状況が生ずるようなことがない限り、そのまま立地を放置していると半数近くの店が撤退を余儀なくされるのではないかと推測いたします。
プロフィール】
はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。毎月開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。http://www.sorb.co.jp
東小金井駅周辺のコンビニ 立地状況