直近人口が少ないローカル出店の激戦区  鶴川駅周辺  月刊コンビニ連載2011年7月号

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直近人口が少ないローカル出店の激戦区  鶴川駅周辺  月刊コンビニ連載2011年7月号

立地について,月刊コンビニ

2017/10/25 直近人口が少ないローカル出店の激戦区  鶴川駅周辺  月刊コンビニ連載2011年7月号

直近人口が少ないローカル出店の激戦区  鶴川駅周辺  月刊コンビニ連載2011年7月号

 

東京におけるコンビニ激戦区の3位は、小田急線「鶴川駅」周辺です。1位の有明駅と2位の国際展示場駅は、前回紹介したとおり、特殊な立地でしたから、普通の立地としては、実質的に最大の激戦区と言っても過言ではないでしょう。

この鶴川駅周辺は、500メートル圏の人口が5905人(国勢調査2005年)に対してコンビニ数が6店舗あるため、1店当り支持人口は984人ときわめて少ない地区です。

この少ない人口でなぜやって行けるのか、本当にやっていけるのか?この点がたいへん気になります。そこで、いつものように実査を敢行、その立地を分析いたしました。

鶴川駅の北口を降りると、人々の流れは圧倒的に東側のバスロータリーへ向かっていきます。その反対方向に少数が向かいますが、その先に①、②、③があります。

サンクス①と②セブンイレブンは小さな商店街で向かい合って出店しています。商品ブランドとしてはセブンイレブンは強いようですが、サンクスのほうがやや店は広く活発な営業をしている印象を受けました。立地は互角ですが、西側から駅や商業施設へ「徒歩で」向かう人を狙うだけの立地ですので、いずれもかなり苦戦していると察せられます。

ただ、現在、この商店街に接するように大きな公共文化施設が工事中です。これができることによって、大きなTG効果も期待できる可能性があります。

この2つのコンビニを過ぎて、小田急線と並行している幹線道路に出てさらに西に向かうと、ファミリーマート③のサインポール(看板)が見えます。この幹線道路は緩やかにカーブしているため、その看板は走行車のドライバーから見ると、数秒間ほぼ正面に見えています。これは、「アウトカーブ外側の立地」と言って好立地の典型です。しかし、看板に近づくことによって、驚くことがあります。看板のある場所より手前に店舗がありますが、この店舗は道路から6メートル以上もセットバックしているために店前に車で見えないのです。

この店は、この看板なくしては店側車線を通るドライバーには全く知覚されないでしょう。

この店には駐車場が10台あります。このことで、徒歩、車いずれからも顧客吸引が可能になります。

難点を言えば、店前道路は渋滞になりやすい状況にあります。これはさらにその500m先から始まるものですが、こういった渋滞があると売上げは下がる傾向が知られています。

 

さて、鶴川駅に戻って、東側に大半の人々といっしょに歩いていくとバスロータリーに出ます。言わばこのバスロータリーが駅に次ぐ大きなTG(交通発生源)になっています。このTGに最も近いコンビニがローソン④です。このローソンは幹線道路に面してはいますが、駐車場がないため車ドライバーを顧客対象にはしにくいでしょう。ただし、バス待ちの人々からは良く見える位置にあるので、ある意味このバス利用者全員が顧客対象と言えるかもしれません。有利な立地です。

 

また、このバスロータリーには、スーパーマーケットのマルエツも面しております。そして、このマルエツと道を1本隔てて、セブンイレブン⑤が出店しています。ここは昨年当りまで別のコンビニでしたが、変わったようです。

確かに、マルエツがTGとしての働き、つまり顧客吸引をしてくれているとはいえ、このセブンイレブンより先にTGになりえる施設があるわけでもないので、決して良い立地であるとは言えません。セブンイレブンならではの出店と言えるでしょう。

 

幹線道路を東へ行くと、もう一つのファミリーマートがあります。この店は駐車場も20台以上確保しており、この道路からの車来店を明らかに意識した出店をしています。道路には中央分離帯がないため反対側車線からも進入ができますし、出ることもできます。

ファミリーマートは鶴川駅の東西、互いに反対側の車線に出店しており、なかなか考えた配置と言えます。

 

さて、厳密には駅から505mほどのところに出店しているセブンイレブン⑦についても触れておきましょう。

この店は、交差点の角地にありますが、それだけが好立地の理由ではありません。

この交差する道路の奥には、多数密集した住宅地が張り付いています。これがポテンシャルクラスター(需要集合体:PC)と言われる区域です。そしてこのPCから人々が出てくる道が最初に出会う幹線道路との交差点が立地上もっとも有利な場所とされます。そこで、このような場所を「PC由来のTG」と呼んでいますが、まさにこのTGに出店しているのが、このセブンイレブンというわけです。

 

 

 

総括

鶴川駅周辺にはコンビニの激戦区になっていますが、今後はどうなるでしょうか?

一番安泰と考えられるのは最後に紹介したセブンイレブンです。

ここ以外も、それぞれ好影響を与えているTGが異なるのでほぼ問題なく共存しそうです。しかも、鶴川駅周辺は90年代の前半に爆発的な人口増加をした後も、ずっと人口は増え続けています。ゆうに2倍以上にマーケットが膨れ上がっています。加えて、バスターミナルの完成で遠方から人々が集中するようになり、これを見込んでマルエツなど新しい商業施設が増えましたが、これからも増えていくことが予想されます。

そうすると人々の流入はもっと増えるという好循環が起きますので、コンビニがあと数店増えてもおかしくないでしょう。

turukawa2011 

【プロフィール】

はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。毎月開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。http://www.sorb.co.jp

 
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